新卒で入社した会社を退職しました
この記事は 呉高専 Advent Calendar 2022 - Adventar の21日目の記事です。
新卒で Wantedly という会社に就職し、その会社を今年いっぱいで退職することになりました。 なので、数年後自分がお酒を飲みながらエモい気持ちになるための振り返りとして書き残しておきます。
Wantedly とは
まずは、私が新卒で入社した Wantedly という会社について軽く紹介します。
Wantedly は「シゴトでココロオドルひとをふやす」をミッションに以下のサービスを展開しています。
私が働いていた期間の多くは Wantedly Visit の開発に携わり、最後の2ヶ月ほどは Wantedly Engagement Suite の開発に携わっていました。
Wantedly に新卒で入ってどうだったか?
間違いなく良かったと思っています。
良かったと思うポイントは色々ありますが、以下の2つを取り上げたいと思います。
- 真っ当な toC 向けのプロダクト開発を経験できた
- 色々なことに入門できた
1. 真っ当なtoC向けのプロダクト開発を経験できた
Wantedly では 仮説を立てる → 検証する → 機能としてリリースする → 予想とのギャップを整理する → 予想と機能を修正して再度リリースする → ... という開発サイクルを回していて、 Wantedly のエンジニアはこれらの全工程に関わっています。
これらのサイクル自体はよくあるものだと思いますが、会社によってはエンジニアは機能としてリリースする部分だけを担うこともあると聞いています。 分業による生産性の向上などのメリットもあると思いますが、各ステップを一通り経験できたことは間違いなく自分の経験としてプラスに働いたと考えています。
2. 色々なことに入門できた
前述の 1. 真っ当な toC 向けのプロダクト開発を経験できた でもわかるように Wantedly のエンジニアのカバー範囲はとても広いと感じています。
プロダクトを伸ばすために必要だからやる、という総合格闘技としてのプロダクト開発は自分の性に合っていて、様々な分野で 完全に理解した → 何もわからない → チョットデキル → 完全に理解した → ... を繰り返すことでプロダクト開発力が高まっている実感がありました。
【少し入門した分野】
エンジニアリング、プロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメント、グロース、データ分析、UXライティング、...
色々なことに入門したことにより、深淵な「プロダクト開発」というトピックに対して学ぶべきロードマップがうっすら見えたような気がしました。
伸ばしたいスキルの変化
学生の頃から現在までで伸ばしたいスキルが変わっていった*1ことも書いておこうと思います。
学生の頃~社会人1年目
学生の頃は プロダクトを作る能力を高める = 技術力を上げる だと思っていたので、技術力を高められる会社として Wantedly を選びました。*2
入社してからも技術力を高めることが最も重要と考えていたような気がします。
読んでいた本
社会人2~3年目
社会人2~3年目になり、一個人としての成果だけでなく1チームとしての成果を考えるようになりました。
やってきたプロジェクトを見返してみると、プロジェクトの中で設計・実装は一部分でしかなく、もし仮に実装・設計の期間が半分になったとしても、トータルのプロジェクト期間はそこまで短くならないことに気付きました。 さらに、プロジェクトが完遂できたとしてもユーザーのインサイトがズレていて思っていたように数字が伸びないことも多々ありました。
これらの経験から、プロダクトを伸ばすためには技術力を高めるよりもプロジェクトマネジメント・プロダクトマネジメントの能力を磨くことが重要だと考えるようになりました。
読んでいた本
- イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」
- プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
- アジャイルサムライ――達人開発者への道
- Hacking Growth グロースハック完全読本
社会人4年目~現在
社会人4年目では、新規事業に近いような事業としての不確実性がとても高いプロジェクトを任されていました。
新規事業のフェーズではどう作るよりも何を作るか、それをどう届けるかの方が圧倒的に重要です。そのため、コンセプトを決める段階からのプロダクトマネジメント、UXライティングなどよりユーザーに近い部分のスキルを高めていました。
そのようなスキルを高めていく中でなんとなく、自分の中のエンジニア濃度が薄まっていくような感覚があり危機感を覚えていました。「技術はあくまで手段」と思っていた自分がなぜ危機感を覚えるのか、プロダクトを伸ばす能力は高まっているんだからそれで十分じゃないか、と思う気持ちと「なんか嫌だな」という気持ちが同時に存在していました。
自分の中で気持ちを整理してみたところ、2つの気持ちがあることに気付きました。*3 どうやらプロダクトを伸ばすだけでは満たされなかったようです。
- プロダクトを伸ばしたい
- エンジニアとしてやっていきたい
そして、エンジニアとしてプロダクトの伸ばす力をより高めるための手段として、転職を決意しました。
(具体的な転職の話は脱線してしまうのでこの記事では書きません)
読んでいた本
新卒の会社を選ぶということ
この記事は呉高専 Advent Calendar として書いたものなので、これから新卒の会社を選ぶであろう学生向けのセクションも書いてみようと思います。
まだ新卒の会社以外をほとんど知らない社会人4年目の言うことなので話半分くらいに読んでください。
パッと思いついたのは以下の3つです。
- 新卒で入った会社の文化や考え方は自分の価値基準に影響する
- 専門性を磨き上げたい!と思っていたとしても新卒で幅広く色んなことができる環境に身を置くのは悪くない
- 一度選んだら正しい選択だったかは考えず、選択を正しくすることに全力を注ぐ
1. 新卒で入った会社の文化や考え方は自分の価値基準に影響する
これはよく言われていることですが、新卒で入った会社の文化や考え方は自分の価値基準に影響する気がしています。
新卒のタイミングでは前職が存在しないため、他社の比較することができません。そのため、まずは良くも悪くもその会社の文化や考え方に染まることになると思います。 2社目以降では前職が存在するため、良くも悪くも「前の会社と比較してここは〜で、あそこは〜」と比較してしまいます。
新卒で選んだ1社目が基準になってくるため、どんな考え方を自分にとっての当たり前にしたいかで会社を選んでみるのも悪くないかもしれません。
2. 専門性を磨き上げたい!と思っていたとしても新卒で幅広く色んなことができる環境に身を置くのは悪くない
これは実体験によるものなので賛否両論あると思いますが、新卒では幅広く色んなことができる環境に身を置くのも悪くないなと感じています。
専門性を磨き上げることが目標であれば何の問題もないと思います。しかし、別の目標があり、その目標を達成するために専門性を磨き上げたいと考えているのであれば、目標を達成する手段は特定の専門性を磨き上げる以外にも存在しないかを確かめる期間があっても良いと思っています。
自分が学生のときは プロダクトを作る能力を高める = 技術力を上げる だと思っていましたが、実務でプロダクト開発を行うことで他にも上げるべきパラメータが存在することを知ることができました。
3. 一度選んだら正しい選択だったかは考えず、選択を正しくすることに全力を注ぐ
これもよく言われていることですが、一度新卒の会社を選んだら正しかったかどうかは考えず、選択を正しくすることに全力を注いだ方がいいと思っています。
これに関しては自分の好きな記事があるのでそちらを参照してみてください。